アサイン管理について
公開日:2026.02.09
システム開発の現場では、プロジェクトの多様化や短納期化、技術領域の拡大が進み、単一部門だけで人材を最適にアサインすることが難しくなっています。 その結果、「今いる人で何とか回す」対応が続き、調整が後手に回ってしまうケースも少なくありません。
こうした状況の中で注目されているのが、部門横断のリソース活用とマトリックス組織を前提としたアサイン管理です。 本記事では、部門・プロジェクト双方の視点を取り入れたアサインの考え方と、現場で実践するためのポイントを整理します。 システム開発部門のマネージャー・リーダーの皆さまが、自社の運用を見直すヒントになれば幸いです。

これまで多くの組織では、各部門が自部門のリソースを前提に最適化を図ってきました。 しかし、開発現場を取り巻く環境が変化する中で、次のような課題が顕在化しています。
これらは、プロジェクトの遅延や品質低下だけでなく、現場の負荷増大やモチベーション低下にもつながります。
部門を越えたアサイン調整は理想的に見えますが、実際の運用では次のような壁に直面します。
結果として、「調整できる人がいない」「分かっている人しか動けない」状態に陥りがちです。 こうした状況を変えるには、調整の仕組みそのものを見直す必要があります。
マトリックス組織は、「部門(ファンクション)」と「プロジェクト(案件)」という2つの軸で人材を捉える組織形態です。
この考え方を前提にすることで、特定部門や特定案件に人材が固定化されにくくなり、全体最適の視点でアサインを考えやすくなります。
マトリックス組織を形だけで終わらせないためには、部門横断の調整プロセスが欠かせません。
これにより、「今は空いている」「この時期は厳しい」といった情報が組織全体で共有され、無理のない調整が可能になります。
まず取り組むべきは、アサイン情報の整理と可視化です。 部門別・プロジェクト別に散在している情報をまとめ、誰でも全体像を把握できる状態をつくります。
情報を最新の状態で保つことで、調整の前提が揃い、無駄な確認作業を減らせます。
調整が属人化しないよう、役割と流れをあらかじめ定めておくことが重要です。
調整フロー例
会議の定例化や、チャットなどの補助的な手段を組み合わせることで、調整負荷を抑えられます。
アサイン管理は、単なる人員配置ではありません。 メンバーの成長やキャリアと結びつけることで、前向きな調整が可能になります。
「必要だから割り当てる」だけでなく、「本人にとって意味のある経験」にすることが、組織全体の力を高めます。
部門横断・マトリックス型の運用では、情報量と調整頻度が増えがちです。 その負荷を下げるために、アサイン管理を支援するツールを活用するケースも増えています。
ツールは目的ではなく、判断を支えるための手段として位置づけることがポイントです。
あるB2Bシステム開発会社では、複数事業を横断するマトリックス体制のもと、次のような工夫を行っています。
その結果、突発的なリソース不足への対応力が向上し、プロジェクト間の連携やメンバーの成長機会も広がっています。
小さな改善を積み重ねることが、安定した運用につながります。
部門横断とマトリックス組織を前提にしたアサイン管理は、システム開発現場に柔軟性と持続性をもたらします。 見える化、調整フローの明確化、キャリアとの連動、そして運用を支える仕組みづくり。 これらを意識することで、アサイン管理は「調整に追われる業務」から「判断を支える基盤」へと変わっていきます。
まずは自社の現状を整理し、小さな一歩から見直してみてはいかがでしょうか。
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