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アサイン管理について

更新日:2025.10.17
公開日:2025.10.28

アサイン管理でつくる“戦略的な組織運営”vol.3

第3回:アサイン管理を“戦略投資の場”に — 組織を強くするリソースの使い方

シリーズについて

本記事は、「アサイン管理でつくる“戦略的な組織運営”」をテーマにした全3回シリーズの最終回です。
第1回では「戦略余力(Strategic Slack)」の設計、第2回では「余力を運用する仕組みづくり」を紹介しました。
そして最終回となる今回は、確保した“余力”をどう活かし、組織の成長につなげるかを解説します。

▶ シリーズ構成

1. 「余力」を“待機時間”ではなく“投資時間”に変える

戦略余力を確保した組織では、次に「その余力をどう使うか」が問われます。
よくある誤解は、余力を「手が空いている状態」として扱うこと。
しかし、余力とは**“戦略的に投資できる時間”**であり、意識の持ち方ひとつで成果が大きく変わります。

Co-Assignの導入企業でも、稼働率を100%に近づけることではなく、
**「余力をどう活用して新たな価値を生み出すか」**を議論する動きが増えています。
余力を“待機”から“戦略投資”へと転換することが、組織の進化を支える鍵です。

2. 戦略的な余力活用の4つの方向性

アサイン管理の観点から見ると、余力の活用には大きく4つの方向性があります。

活用タイプ 目的 代表的なアクション例
① 新規施策への投資 既存の延長線にない新しい価値創出 新サービス企画、PoC検証、社内横断プロジェクト など
② 業務改善・効率化活動 現場負荷の低減と生産性向上 手戻り削減、標準化、ツール導入検討・自動化 など
③ スキル育成・ナレッジ共有 人材強化とスキルポートフォリオ拡充 勉強会、ローテーション、社内講師・ドキュメント整備 など
④ 顧客・市場理解の深化 顧客体験や提供価値の向上 顧客ヒアリング、利用分析、UX調査・仮説検証 など

これらはいずれも**「短期的な利益」ではなく「中長期的な成長」**に資する活動です。
余力をこの4方向に再配分することで、単なる人員調整ではなく、戦略的なアサイン運営が実現します。

3. 「投資アサイン」を支える3つの仕組み

戦略投資としてのアサインを実現するには、次の3つの仕組みを整えることが重要です。

① 投資テーマの見える化

余力を何に投じるのかを明確にすることが第一歩です。
“課題リスト”や“改善アイデアボード”を社内で共有し、
誰でも提案できる環境を整えることで、余力を活かす方向性が自然に生まれます。

② 優先順位と意思決定ルール

余力を投入する対象が複数ある場合は、判断の基準をあらかじめ設けておくことが大切です。
たとえば、「経営戦略との整合度」「影響範囲」「人材育成効果」などの観点から優先度を決めます。

③ 成果を追える指標設計

投資した余力がどんな成果につながったかを定期的に確認します。
金額換算が難しい場合でも、「対応スピード向上」「再作業削減」「人材成長度合い」などの
定性+定量のハイブリッド評価を導入することで、次の投資判断に活かせます。

4. 「アサイン会議」を“投資配分会議”へと進化させる

多くの企業では、アサイン会議が「誰をどこに配置するか」を決める場になっています。
しかし、戦略的なアサイン運営を目指すなら、
**「リソースの最適化」ではなく「投資の最適化」**へと視点を切り替えることが求められます。

たとえば、次のような問いをアサイン会議で扱うようにすると、
会議の意味合いが大きく変わります。

  • 今期の戦略テーマに対して、誰がどれだけ関与しているか?
  • 改善・育成・新規投資に充てているリソース比率は適正か?
  • 投資の成果をどのように次の計画に反映させるか?

こうした“投資アサイン”の考え方を取り入れることで、
アサイン管理は単なるリソース調整から、経営の意思決定支援ツールへと進化します。

5. 成長する組織は「余力の使い方」がうまい

高稼働のチームほど、短期的な成果は出やすい一方で、
中長期では改善・育成・変革の時間を失いやすくなります。
逆に、成長を続ける組織は例外なく**“余力の使い方”が上手い**です。

  • 改善の時間を確保する
  • 新しい挑戦にリソースを割く
  • メンバーの成長につながる経験を意図的に設計する

こうした姿勢が、結果的に柔軟で強い組織を生み出します。
そして、その仕組みを支えるのがアサイン管理です。

6. まとめ:アサイン管理を「経営戦略の実行装置」に

アサイン管理は、本来「人を配置する」ためのものではなく、
**組織の戦略を実現するための“実行装置”**です。

戦略余力を設計し(第1回)、運用サイクルを整え(第2回)、
そして活用によって組織を強くする(第3回)——。

この3つのステップを通じて、
アサイン管理は単なる業務管理から脱却し、
経営と現場をつなぐ戦略基盤として機能します。


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編集後記

「余力をどう使うか」という視点が、アサイン管理を大きく変えます。
Co-Assignが目指すのは、“人と案件をつなぐ”だけでなく、
“組織の戦略実行力を支える”アサイン基盤を提供することです。

私たち、株式会社アイリッジは、リソース管理・アサイン管理業務を効率化する人材最適化プラットフォーム Co-Assign(コーアサイン)を提供しています。

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