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アサイン管理について

公開日:2025.11.17

仮アサインで“余力”を可視化する ―― 柔軟な人材配置がもたらす組織力強化のすすめ

はじめに

システム開発の現場では、複数プロジェクトが同時並行で動き、限られたリソースをどのように配分するかが常に問われます。案件ごとに必要なスキル・工数は大きく異なり、「誰が・いつ・どれだけ稼働できるのか」を正しく把握できるかどうかが、プロジェクトの成功に直結します。

一方で、現場のマネージャーやリーダーの皆さまからは、次のような声をよく伺います。

  • メンバーの稼働状況が見えにくい
  • 急な案件追加に耐えられる余力が分からない
  • プロジェクトの谷間に生まれる“余力”が活かしきれていない

本記事では、こうした課題を解消するアプローチとして「仮アサイン」に着目し、組織内の“余力”を前広に把握し、柔軟で戦略的な人材配置を可能にする方法を整理します。

システム開発部門で起きがちなリソース管理の課題

稼働状況がブラックボックス化しやすい

プロジェクト単位でアサインを進めていても、実際の工数消化やフェーズ進行が想定通りとは限りません。その結果、本来は余力があるのに見逃されてしまったり、気づかないうちに過負荷になっていたりといったアンバランスが生じやすくなります。

急な案件追加・要件変更に弱い

受託開発では「来月から動きたい」「想定より増えたので追加をお願いしたい」といった要望は日常的に発生します。しかし、稼働状況が曖昧なままだと、

「本当にこの人を追加でアサインして問題ないのか?」

という判断がつかず、柔軟な対応がとれなくなります。

一時的に生まれる“余力”が活用されない

フェーズの切り替えや案件の谷間で生じる“余力”は、本来組織の成長にとって大事な投資枠です。しかし可視化されていなければ、改善活動や技術検証などに充てる機会も失われます。

仮アサインで“余力”を見える化する

仮アサインとは?

仮アサインとは、プロジェクト確定前に「この期間、このメンバーにこの程度の工数を割り当てる可能性がある」という情報を暫定的に登録しておく運用です。本アサインと異なり、変更前提で扱う“見込みベースのアサイン”という位置づけになります。

仮アサインがもたらすメリット

  • 将来の余力を事前に把握できる
    早い段階で“空きそうな人”を特定し、新規案件や追加タスクの受け皿を用意できます。
  • 複数プロジェクトの調整がスムーズになる
    重複アサインや過剰アサインを未然に防ぎ、スケジュールの見通しが立ちやすくなります。
  • 人材活用の最適化が進む
    成長機会の提供やスキルマッチングがしやすくなり、組織の活性化につながります。

仮アサインを活用した柔軟な人材配置づくり

1. 仮アサイン運用のルールを明確にする

まずは、仮アサインと本アサインの違いを整理します。

  • どのタイミングで仮アサインを付与するか
  • 工数の精度はどの程度を想定するか
  • 本アサインへ切り替える基準は何か

例えば、「案件化確度70%以上で仮アサイン登録」「受注後1週間以内に本アサインへ移行」といった基準を設けておくと、運用が安定します。

2. ツールで可視化を徹底する

Excelでも管理は可能ですが、複数プロジェクト・複数チームを横断する場合は限界があります。稼働率、仮アサイン状況、アラート、重複アサインなどを一目で確認できる仕組みがあると、判断スピードが格段に上がります。

特に、

  • 仮/本アサインの切り替え
  • 週次稼働率の把握
  • プロジェクト横断の負荷状況比較

が簡単にできる環境があると、マネージャー同士の連携もスムーズになります。

3. 定期的な見直しとコミュニケーションを習慣化する

仮アサインは“仮”である以上、定期的な棚卸しが欠かせません。

  • 見積もり工数は妥当か
  • この仮アサインはまだ必要か
  • 新しく仮アサインすべき案件は増えていないか

といった観点で、週次・隔週での更新を習慣化することをおすすめします。

メンバー本人にも状況を共有し、「次に向けてどのように動きたいか」という意見を聞くことで、組織全体の納得感も高まります。

4. 余力を“組織の投資枠”として使う

余力が見えるようになると、既存案件だけにとどまらず、次のような“未来への投資”にリソースを充てられるようになります。

  • 技術検証や PoC
  • 社内改善タスク
  • ナレッジ共有
  • 新規プロジェクトの準備・設計

こうした取り組みによって、組織力や技術力の底上げにつながります。

仮アサイン活用で押さえたいポイント

  • 過度な仮アサインは逆効果
    情報が多すぎると判断が難しくなるため、精度と更新頻度が重要です。
  • ステータス管理は明確に
    仮と本の境界を曖昧にすると、現場の混乱につながります。
  • 現場の声を取り入れる
    トップダウンだけでなく、ボトムアップの改善が運用定着のカギです。

まとめ

仮アサインを上手に取り入れることで、「今どれだけ余力があるのか」「どこに投下できるのか」を前もって把握でき、複数プロジェクトを抱える開発組織の柔軟性は大きく向上します。

もちろん、運用は一朝一夕では定着しません。しかし、ルールの明確化・定期的な見直し・ツールによる可視化を組み合わせることで、無理のないスモールスタートが可能です。

自社の状況に合わせて、まずは小さく仮アサインを取り入れ、“余力の見える化”を進めてみてはいかがでしょうか。

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