自社に必要なスキルの定義
企業成長のためには、組織を構成する個々人の育成が欠かせません。
個人の育成には、
会社として求めるスキルを定義し、各人のスキルを定期的にチェックすることで、成長(スキルのレベルアップ)の度合いを計測する必要
があります。
しかし、会社として求めるスキルの定義は簡単ではありません。
まず自社の業務プロセスの整理・分析から始める必要があり、膨大な労力と時間がかかります。
IT領域におけるすべての業務や必要なスキルを体系化した情報がないのか調べたところ、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が策定したiCDというツールがあったので、ご紹介します。
※ iCDには、IT以外のマーケティング・セールス、総務・人事・経理といった業務も含まれています。
iCDとは?
iCDとは、「i コンピテンシ ディクショナリ」の略で、企業の「業務」と「能力」を網羅した2つの辞書で構成されています。
業務の辞書を「
タスクディクショナリ
」、能力の辞書を「
スキルディクショナリ
」と呼んでおり、それらを使って自社に必要な業務と能力を定義することができる、というものです。
出典:
iCDオフィシャルサイト
自社の業務や能力を整理し構造的に表現した上で、組織としてのあるべき姿を定義し、人材育成のための施策(評価制度の策定など)を打っていく
、というのがiCDの活用方法になります。
活用企業の認証制度もあり、
iCD協会(iCDの普及を目指す一般社団法人のようです)のサイト
には、認証企業としてSOMPOシステムズ株式会社、ソフトバンク株式会社、大日本印刷株式会社などの企業が掲載されています。
iCDの使い方
1.タスクの自社の組織へのマッピング
まず、タスクディクショナリのタスク一覧からタスクを選択し、自社の組織にマッピングしていきます。
単に組織の現状(As-Is)に基づいてマッピングするだけではなく、
将来のあるべき姿(To-Be)も念頭に置いて
行います。
従って、経営戦略や事業計画、経営者へのインタビューなどから抽出したキーワードをもとにタスクを選択していく必要があります。
出典:
iCDオフィシャルサイト
2.評価項目・診断基準を設定
次に評価項目と診断基準の設定を行います。
タスクディクショナリのタスク一覧には各タスクに対する評価項目も定義されており、それらをベースに自社に合わせて項目追加などを行います。
診断基準はL0(知識、経験無し)〜 L4(他者を指導できる、またはその経験あり)の5段階とされていますが、こちらもカスタマイズしてOKです。
出典:
iコンピテンシディクショナリ解説書
3.運用開始前のテスト・改善
運用開始・制度化する前のテストとして、定めた評価項目と診断基準にもとづいて実際に評価を行ってみます。
評価結果を組織として集計し、特定の項目が突出して高い(低い)といったバラつきがある、実務上の成果と照らしてギャップがある等の問題があった場合、項目と基準を見直します。
出典:
iコンピテンシディクショナリ解説書
自社の業務遂行能力が可視化される
というのは、非常に興味深いですね。
以上のように、iCDを利用することにより、
少ない工数・短期間でスキルの定義と標準化を実現することができます。
ご興味のある方は、
iCDオフィシャルサイト
や、「
i コンピテンシ ディクショナリ解説書(PDF)
」の詳しい解説をご覧になってください。
Co-Assign(コーアサイン)とは?
アイリッジが提供するCo-Assignは、
アサイン管理・要員管理のためのリソース最適化ソリューション
です。
「リソース管理」に関する課題に対して、Co-Assign がどのような機能を提供しているかは、 機能:リソース管理 にて画面を交えながらご説明しています。
自社や外部パートナーのメンバーのスキルをタグ付けし、
リソースの状況(要員計画に対する、スキルごとのリソース過不足)を可視化
することができます。
スキルタグは自由に設定できますので、iCDのような手法を用いて定義したスキルに基づいて、自社リソースの可視化を行ってみてはいかがでしょうか。
現在、
無償トライアル
利用が可能なので、
ぜひこちらからお問い合わせください
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